紫艶由縁江戸花 十一
紫艶由縁江戸花 十一
「紫艶由縁江戸花 十一」(むらさきのつやゆかりのえどのはな)
2018年
キャンバス、アクリルグアッシュ、鉄
パネル
H128×W100×D5.5cm
作家蔵
ゴッホが憧れた「浮世絵」も、“筆の線”の芸術。
細微な漆黒の輪郭線は、世界を驚かせる。
その線は絵師が筆で「描き」、彫師が版木から彫り起こし「残した」もの。
色ごとに版木を何枚も彫り分け、1枚の紙に摺り重ねる技法で現れる。
まるで、現代のPhotoshopのレイヤー機能でつくる構造に近い。
本作は、かつて立体を線で平面に置き換えた浮世絵を、
250年の時を越え、紫舟が平面から解放する。
輪郭線を背景の絵からすべて抜き去り、書家は新たな筆の線を「引く」。
その墨蹟は、何層にも重なり自由放埓に宙を舞う。
浮世絵を、伝統から解き放つ。