紫舟 SISYU

山是山

山是山

やまこれやま
2024年
墨、和紙

H61.5×W32cm(和紙寸)


同じ出来事を体験しても、それに傷つき何年も苦しむ人もいれば、受け止めずさらりと流して穏やかに生きる人もいる。なぜだろう。

それは、起きた出来事自体は直接人に影響を与えることはないのに、その出来事に対してその人なりの解釈を発動させるととたんにその出来事は人に影響を与えてしまう。

例えば、何かが起きたとき、心が反射的に反応し感情で受け止め意味づけをしたように行動してしまうこともそう。落ち着いて受け止めたようでも、思い通りになったとか、願いが叶わなかったと、目先の出来事を結果として決めつけてしまうのもそう。

だから反射的な感情の暴走を防ぐため、起きた出来事には、「へー」と、気の抜けた言葉を放っておく。まだ心がゆさぶられるようなら、大阪弁がいいね、「まぁ、ええんちゃう」、と受け止めずにさらりと流しておく。そして、「これはわたしの管轄外だから」と声に出しておけば、反応した感情や思考は止まってくれる。
脳は、思考と発した言葉のように認識し、高ぶった感情も行いも落ち着いていく。
なにか起きたときには、事実や出来事はただそのままに捉え、穏やかに平和にやりすごそう。