紫舟 SISYU

感謝

感謝

かんしゃ
2024年
墨、和紙

H46×W32cm(和紙寸)


人の目は不思議なほど嫌なものに向く。むかし傷ついたことばを人生で数百回も思い返しては自分で自分を傷つける。不幸な出来事に関心をよせ、だれかの失態には心がひきつけられる。 そういうことはもう嫌だ。
決別するために、代わりに、「恩」に、五感を向けてみる。すると、周囲からこれほどまでに助けらていたこと、与えてもらってばかりだったこと、見えるところでも見えないところからも支えてもらっていること、忘れていただけで深く愛されていることを思い知る。恩に目を向けると、感謝が生まれる。感謝をすると、有り難さに感謝をした側にもしあわせが訪れる。

和紙/人間国宝 岩野市兵衛 先生作