必然偶然の合
必然偶然の合
ひつぜんぐうぜんのごう
2016年
鉄、アクリル
書のキュビズム
H130×W40×D35cm
作家蔵
鉄の立体書は空間と地続きのものであり、枠を持たない。
書のキュビズムは、鉄の彫刻のもつ「支柱と空間」を持たないかわりに明確に「x軸、y軸、z軸」を持つ。
アクリルのキューブに閉じられた墨線は平面という(x、y軸)から逸脱することで、書の定義を揺さぶる(文字なのか、立体なのか、形なのか)その瞬間「文字というかたちの多面性・記号性」が浮き彫りになる。
紫舟は、他視点からの文字(書)を再構築する書をキュビズムと名づける。
書家は、常に紙が平面ではないと思っています。筆先が紙面を泳ぐときに、紙の深さを感じています。
その紙の「深さ」が書のキュビズムという形で可視化します。
書のキュビズムは紙の平面から飛び出して、「x軸、y軸、加えてz軸」を持ちます。
墨の線は平面から抜け出すことで、書の固定概念を曖昧にします。
それは文字なのか、意味なのか、オブジェなのかを考えさせる。
「文字というかたちの多面性・記号性」が文字通りに浮き彫りになります。