◎ 本当の自分って? ◎

2026年10月2日

「紫舟」は雅号です。

日本の伝統文化では、
師から雅号を授かることや
師の名から一字をいただく慣習があります。

私も、師から「紫舟」という名をいただきました。

それまでの本名はどうもしっくり来ませんでした。
「紫舟」になって「本当の自分になれた」と感じました。
名を変えただけで、これほど生きやすくなるのか。と。

もうひとつ。
「書家」になると分かった瞬間に、

「あー、これで死ねる」と感じました。

幼少から、死についてよく考え、
大切な人や自分が消滅する恐怖に怯えていました。
人生でやるべきことが見つかった瞬間、
死へ向いてきた意識は、
生に向き生きることに専念し、
死は生の延長線の出来事のひとつとなりました。

「本当の自分」とは、
何なのでしょうか?
社会で与えられた役割?父母?プライベート?仕事?
鏡に映る私?心の中の私?

本当の自分も知らないまま、
私たちは、自分の人生になんら影響を与えることも
会うこともない人の人生にまで、口出しするようになった。
人が、自分の管轄外のことをしようものなら
「こう生きるべき」「やめるべき」「〇〇べき」「べき」と、
烈火のごとく口を出す。

だけど、それも、ひょっとしたら
当人にしか感じられない
「本当の自分に近づいていく感覚」かもしれない。

生きる尊厳。

タトゥー、整形、性別を選ぶことも、
本当の自分に近づき、生きやすくなったのなら

「よかったね」
と言ってあげたい。

人は、
誕生時に、親や周囲から与えられたものだけで、
一生を生きなくてもいいのかもしれません。

自分が壊れるくらいなら
本当の自分に戻るため、選び直せるものもある。

「紫舟」という名で書家に転職したことは、
別の人間になったのではなく、
本当の自分として生きはじめでした。

名前を変えて書家になれたことは、
人生で一番よかったことのひとつです。

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