ことの葉
◎ わらしべ長者 ◎
2026年6月30日
むかしむかし、あるところに
まじめで正直、何をしてもうまくいかず、
貧しい暮らしの男がおりました。男は毎日、
観音様に「どうかお救いください」と一心に祈りした。
ある日、観音様がお姿を現しお告げになりました。
「お堂を出て、最初に手にしたものを大切に持ち、西へ行きなさい。」
男がお堂を出ると、すってん転んで一本の藁をつかみました。
男は藁を持って西に歩くと、アブが飛んできたので
藁の先にアブを結びつけました。すると大泣していた
赤ん坊が喜び、お礼に母親から蜜柑をもらいました。
さらに西へ進むと、苦しむ娘に出会います。
男は蜜柑を差し出しお礼に上等な絹の布をもらいました。
その先で、
倒れた馬しか持たない旅人が、強引に布と馬を交換します。
貧しい男は馬を懸命に介抱し、馬は元気になりました。
やがて大きな屋敷に着くと、主がその馬を大変気に入り、
千両で譲ってほしいと願い出ます。
男はあまりのことに驚き気を失います、介抱してくれたのは、
かつて蜜柑を差し出し助けた娘でした。
主は男の人柄に心を打たれ、「娘の婿に」と願い出ます。
貧しかった男は、観音様のお告げを信じ実行したことで
次々とご縁と幸運に恵まれ、幸せな長者になりましたとさ。
おしまい。
奈良の長谷観音様が、人の願いを聞き届け、善縁を結び、
人生を豊かに幸運に導く大いなる現世利益を伝える物語より。
紫舟 拝
