紫舟 SISYU

地獄絵図展 ~行ってはいけない処・地獄~

03/24 - 05/07, 2023 金峯山寺 本地堂, 吉野郡吉野町吉野山2498, 奈良県, 日本

概要

概要
パンデミックの状況下、未知なるウイルスは、世界中の人を「死」に直面させ不安を煽る。
目を背けてきた死に対して、輪廻という言葉では知りつつも、死への恐怖は尽きない。
その不安をとりのぞく行為は、天平時代では大仏建立。

令和の今、先の見えない時代で人々の不安を癒すものは何か。

紫舟の答えは、「死を観る」「人は何のために死ぬのかを知る」こと。
知ることで、囚われていた人間の抱える最も大きな恐怖「死」は、激変する。

本作は、カラスの地獄絵図を通して、「死の目的」と対峙する。

 * * *

「産まれた目的はなんだろう?生きる目的は何?、生に目的があるならば、死にも目的はある。死ぬ目的はいったい何だろう…?」

コロナ禍、私は死を意識した。一方で、自分だけはコロナに罹らない。死なない。と、根拠ゼロの非科学的な自信もあり。人間の致死率は 100%、死は避けられない。「死んだらどうなる?」…天国行けるよね?ね!
「悪いことした人は地獄に堕ちる」…私そんなコトしてないよね?ね!
「殺生は?」…殺してません!
「蚊叩いたよね? 虫殺してない? 魚捌いたよね? 肉も食べてたよね?」…はい。すべて。
「殺生の地獄の刑期、知ってる?」…1000000000000年。

私は幼少の頃、日本昔話や山姥がとにかく怖かった、その畏れは、人としての在り方を正してくれた。地獄絵を経て、人生の選択が変わった、生き方が改まる。蚊や虫の殺生も止めました。遅かれ早かれ、みな死ぬ。どうせ 死ぬのだから(受験前に進学希望先の学校を調べたように、地獄行きになる前に、お世話になる会場の下見)「地獄見学」しませんか?

そう、ここは『行ってはいけない処~地獄~!』



地獄絵図

【地獄絵図】


「殺生した人の地獄」

 地獄にもいろいろあって、人間界から最も近いといわれているのが、殺生した人の地獄。
 暴力をふるった人、動物や虫を殺した人。必要がないのに生き物をむやみやたら殺す好きが集まるだけあり、この地獄では、罪人は暴力をふるい合い、殺し合い、互いの肉を掴みあってそぎ落とし刀で切りつけ合うという。
 生前、動物を殺して食べた人の地獄は、鉄のかめで煮られる。生前、人を縄で縛ったり、打ったり、突き落としたり、子供を恐れさせたり、人々に大きな苦痛を与えた人の地獄は、十千億種類の苦しみが用意されて生前の悪行に応じた形で苦しめられる。
 またちょっとした事で腹を立ててすぐに怒り、暴れ、物を壊し、勝手気ままに殺生をした人の地獄は、あらゆる場所で常に鉄火に焼かれ、生き返らされて断崖絶壁に突き落とされる。
 他にも、地獄の鬼たちが、鉄棒やトゲのついた金棒で、頭の先から足の先まで金棒で骨まで粉々にされたり、全身の皮をはぎとられ肉を削がれたり、猛火の中で生きたまま焼かれたり。

 これほど恐ろしいのなら、いっそ死んでしまいたいと思ってしまうがここは地獄。地獄の掟では、身体がバラバラになろうとも、何度でも生き返る。繰り返し肉体がよみがえり、苦痛と恐怖を延々味わい続けるのが、地獄の恐ろしさ。これは、罪をおかした人が、他のものに与えた痛みや苦しみを味わい、悔い改めさせるためという。

 刑期=一兆六千六百億年!(等活地獄:殺生) 



「盗んだ人の地獄」

  盗みは貪欲の表れ。

 盗みをした人は、熱く焼かれた鉄板の上に寝かされて真っ赤に熱した鉄の縄を押し付けられる最後はノコギリ斧で切られ、身体がミンチになるまで切り刻まれる。ジュウジュウ肌を焦がされ肉は焼け落ち骨は焦げ、骨髄までもが溶けるという。

 グラグラ煮えたぎる大釜に、高温の鉄の塊を背負った罪人が歩き、その熱さのあまり熱湯に落ち、もがき苦しむ。

 盗んだ人の地獄は、苦しみでいうと、殺生地獄の10倍の灼熱地獄!身体がミンチになっても、骨が焦げても、繰り返し元の身体に再生され、逃れられない。殺生より長いね、気長に我慢ね!

 刑期=十三兆三千二百億年!(黒縄地獄:殺生、盗み)



「邪淫した人の地獄」

 性的なもので人を傷つけた人、人道に外れた性行為、近親相姦、強姦と対象は幅広い!
 生前、よこしまな考えでそれらの罪を行った人は地獄で、肛門から頭まで鉄串で刺し抜かれ、串焼きのように業火にあぶられる。異常な方法での性行為やそれを覗き見して真似た人は、炎の剣で肛門から腰かけて串刺しにされる。男は睾丸、女は卵巣を抜かれる。
 口を使い性行為した人は、口に釘を打って頭から貫通させ、それを急に抜き取り、今度は口から耳へ貫いて抜き取り、ということの連続で苦しめる。また、溶けた赤銅を口から注ぎ込んで内臓を焼く。他にも、鉄のはさみで肛門を裂かれ、そこに溶けた白蝋を流し込まれる。
 女性の肛門を使って性行為を行った人は、口を鉄叉で広げて熱銅を流し込み、耳に白蝋を流し込む。鉄の蟻が、罪人の目を喰い、刀の雨が降る地獄。
 妻以外の女性と性行為を行った者は、火責め、刀責め、熱灰責め、病苦による責めなど、次から次へと責め苦がやってくるという。

 刑期=百六兆五千八百億年!(衆合地獄:殺生、盗み、邪淫)

「噓をついた人の地獄」
 嘘をつくことは殺人や窃盗といった犯罪と並べられるほど罪。嘘や口からでまかせを言った人がおちる地獄は、嘘つきにふさわしく、口や舌を痛めつけるものが多く、これまでの地獄を合わせた10倍の苦しみという。
 煮えたぎる銅の液体を口から流し込まれたり、燃える炎の口をもつ虫に口やのどを喰いつかれたり。熱した鉄針で舌と唇を縫い合わされる。舌は焼かれてもまた生えてくるので、抜かれつづける。地獄の鬼に、舌を引っ張られ服毒させられ舌を焼かれる。その焼けた舌を虫に喰われるという、念の入りよう。
 生前、恩を仇で返した人や信頼してくれる友人に嘘をついた人の地獄は、顎に穴をあけて舌を引き出し、毒の泥を塗って焼け爛れたところに毒虫がたかる。
 保身のために嘘をついたり地位を利用して嘘をついた人は、罪人たちの体内を蛇が動き回り、肉や内臓を食い荒らす。
 他人のものを奪い取るために嘘をついた人は、鍛冶師が刀を作るときのように、人を鉄に見立てて火で焼き、ふいごで火力を強め、鉄槌で打たれ、引き延ばされ、瓶の中の湯で固められ、また火で焼く、ということが延々くり返される。
 病気や生活に困まり助けを求めた人に助けると口先ばかりで嘘をついて、実際には何もしてやらなかった人の地獄は、目の前においしそうな料理が出現するので駆け寄ると、途中に生えた鉄鉤で傷つき、しかもたどり着くと実は料理に見えたのは熱鉄や糞尿の池で、その中に落ちて苦しむ。
簡 単におかしてしまう嘘、注意しよう、お互いね。
 刑期=六千八百二十一兆千二百億年!(大叫喚地獄:殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語)



NFTプロジェクト

【NFTプロジェクト 「地獄絵図」を燃やす

 2023年10月21日没後、超大作「地獄絵図」の焼失 ~地獄絵を燃やしてこの世の地獄を消し去る祈り~を行います。金峯山寺蔵王堂前にて、僧侶20-30名で経を唱えながら地獄絵を燃やし、願いを大権現様におとどけします。

 作品の焼失後、作品画像をNFT作品として販売します。

 この燃やすイベントは、招待制となります。ご参加には、別途リリース予定のNFT作品「寿司の手」(仮)をご購入ください。「寿司の手」のリリースは、現在準備中です。




NFT上で販売いたします。





 地獄絵は、仏教への帰依を促すために平安時代から描かれてきました。一方、この「地獄絵図」は、個人の存在を、個人の生という一回性から解き、より大きな繋がりの中で見つめなおすために描き上げたです。その「地獄絵図」の画像のみが残りNFT上のデジタル作品となることで、作品そのものも物質性から解放され、鑑賞される場所の制限や、破損の恐れから自由になります。


 個人の生を一回性から解き放つことを願って描いた「地獄絵図」を作家本人が消失させることは、「世界でいままさに起きている地獄の消失」と、人々が人間の必滅の摂理と向き合って自身の存在をとらえ直すことを願う究極の祈りです。作品の焼失によって、護摩焚きはもう再現できない唯一無二の祈りとなり、一方で祈りそのものは、NFT作品が所有される限り時空を超えるものとなります。




金峯山寺である理由
【金峯山寺である理由】

1,役行者さまの、苦しみにのなか生きる人々をお救いしたいという願いへの共感。

2,恕す精神を世界へ発信するために。

   「ゆるす」は3つあります。

   1、赦す (罪を赦す)

   2、許す (許可する)

   3、恕す (思いやりの心で罪や過ちをゆるす)

昨今の国際問題から家庭の問題の多くを、裁判で白黒つける時代になりました。しかし判決がでようとも、当事者たちには、勝っても負けてもいいことはありません。

「勝」てば積年につづく恨みを買い、「負」ければお金や社会的信用をも失う。

過去の戦争や支配の歴史しかり。与えた傷は忘れられやすく、受けた痛みは許されがたい。

手続きの上での赦しに心情はついていかず、人が人をゆるすのはこんなにも難しい。

しかし、恨み合いの連鎖を絶つ解決を、私たちは知っている。

歴史的な過去から身近な問題まで、本当の意味で「恕す」ことができるようになるのを。怒りの中にあっても、慈悲をもってすべてをゆるす。自分のためと相手のためになることを同時に行えたときに、「ゆるす」という言葉は、行為となる。

いま世界で起きている、正に生き地獄と化した戦争や疫病。これらに対し、この地獄絵を蔵王大権現様の火炎で焼失させることで、この世の地獄を焼き払い、恨みや怒りを消失させ、清め、金峯山寺から世界に、「恕」が拡がることを、願っている。



吉野山での移動
徒歩での移動について
  • 近鉄吉野駅より、徒歩の場合は、吉野山下千本まで七曲をご利用下さい。(上り約20分)
  • 近鉄吉野駅~吉野山下千本~奥千本までは、かなりの高低差があります。歩きやすい靴でお越しになることをおすすめいたします。

ロープウェイ(ケーブル)の利用

バスの利用(通常時)

  • 吉野山内「吉野神宮~奥千本」を路線バスが循環しています。(※近鉄吉野駅には連絡していません。)
  • ロープウェイ吉野山駅前には「奥千本行きバス停」があります。
  • 運行については、「吉野大峯ケーブル自動車」のホームページでご確認ください。

バスの利用(観桜期)

  • 近鉄吉野駅より、「中千本バス操車場(竹林院前)」まで奈良交通臨時バスの運行があります。
  • 吉野山内は、「竹林院前」から「奥千本」行のバスのみが運行しています。(通常時のバス路線の運行はありません)
    • 奥千本行きの乗車場は、竹林院門前より50mほどのところにあります。
  • 観桜期の運行については、「吉野大峯ケーブル自動車」のホームページでご確認ください。

車でお越しの場合
・葛城ICから
  1. インター出口からすぐに下りずに、大和高田バイパスの終点までお越し下さい。
    ( 終点で自然に降りられます)
  2. 大和高田バイパス終点にて「小房」交差点を右折。
  3. 約13kmほどで「土田」交差点(T字路)に突き当たりますので左折。
    (吉野川沿いに走ってください)
  4. その後「吉野大橋北詰」を右折。
    (緑色の吉野大橋を渡っていただくと吉野町へお越し頂けます)
・針山ICから
  1. 369号線を吉野方面へ左折。
  2. 榛原で370号線になります。
  3. 途中、「津風呂湖」方面へ入る道を右折。
  4. 津風呂湖を過ぎ、「津風呂湖入口」交差点を右折して169号線へ入る。
  5. 吉野川沿いに走り、「吉野大橋北詰」を左折。
    (緑色の吉野大橋を渡っていただくと吉野町へお越し頂けます)

交通アクセス - 吉野山観光協会【公式サイト】 (yoshinoyama-kankou.com)