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春画

春宮秘画

江戸時代、浮世絵の一種である「春画」は、庶民から上流階級まで広く親しまれ、日本独自の文化として発展した。紫舟の「春宮秘画」は、浮世絵の輪郭線を平面から解放し、書家が新たに引き直した墨蹟を立体彫刻の輪郭線へと再構築した作品。見る角度によって浮世絵版画の「版ずれ」が生まれ、ある一点から眺めたときにのみ絵と彫刻が重なり合い、秘められた像が姿を現す。江戸時代の人々が春画を密かに楽しんだように、鑑賞者だけがその姿を見いだす仕掛けである。日本では近代以降、「わいせつか、芸術か」という議論の中で、表現の制約を受けてきた。紫舟は、この長く続く不毛な議論に私たちの世代で終止符を打ち、次世代に自由で豊かな創作環境を手渡したいという志から、あえて挑んでいる。芸術とは、人々の常識や既成概念に「疑問」の種をまくもの。思考を拡張し、これまでの常識を超える新たな視座をもたらす。その瞬間こそが芸術の醍醐味であり、芸術家が存在する意義である。