紫舟が目指す書とは、作品を飾るだけで、そこに書かれた言葉の意味の恩恵が溢れだす書。 日本には「言霊」という言葉がある。古来より人は、言葉には霊力が宿ると信じてきた。ことばの魂を文字に宿すためには、「人の心に届く」を超えて、「神仏へ捧げる」覚悟を以て、その書と向き合わなければならないと考えています。不便は精神性を高める。あえて情報を遠ざけ、利便性を制限し、自らに不便を課す。制作を行う際には、都会を離れパソコンや携帯電話の電源を切り、筆先に集中し、ただ書だけと向き合う。日々の暮らしにも自らに節制を課し、集中力を高めるため僧侶と同じように精進食をいただく。すべては、書き上げた書一枚から、言葉の恩恵が尽きることなく溢れ出す境地に辿り着くために。